2016-01-01から1年間の記事一覧

中国裏切り時代 中山艦事件

中国国民党の創始者、孫中山が、国民党の臨時政府を置く広東省すら平定することなく死してから久しからずして、元老の一人廖仲凱も賊徒の凶弾に仆れ、胡漢民もまた廖仲凱暗殺事件後のゴタゴタによってロシヤへ去り、広東の国民政府は汪兆銘の一強体制となっ…

中国裏切り者列伝 陳公博(一)

清末、広東省は広州に、陳公博という神童がいた。宦官の家に生まれ、十五歳までに四書五経を修め、二十四史に通じ、三国演義や紅楼夢といった小説を読破した。 その名は近隣に知れ渡り、清朝瓦解の頃に、請われて地方軍の参謀官に任じられ、県議会議長に推挙…

女子力とジェンダーに関する一考察

女子力とは何か、ついて書こうと思う。そもそも女性について語るということは、極めて危険な試みである。なにせ世の中の概ね半分は女性であるからして、「好きに書きやがって」と反感を買う確率がグンとあがる。それに、ジェンダー論から様々な批判が飛んで…

中国一の裏切り男 変節部分

中国共産党第一次全国代表大会で日本代表を務めた周仏海先生は、マルクス主義研究の泰斗である河上肇博士を慕い、京都帝国大学経済学部へ進んだ。 鹿児島から京都までは汽車での移動だが、京都七条ステーションで下車すると、たちまち鳥打帽を被った洋服の男…

中国裏切り者列伝 陳璧君

蒋中正の政敵であった汪兆銘は、どこか女性的な文人政治家ではあったが、その妻、陳璧君は、正史にその名を連ねないのが惜しい豪傑だった。 彼女の話を始める前に、華僑について話さねばならない。英国は鴉片戦争により清から香港を得たが、中国人はその香港…

私と政治・歴史・中国

私は高校卒業後、三年ほど上海に遊んだ時期がある。 なんとなく、この時期こそ自分のルーツであると感じていたが、今日雄弁会の先輩から四川料理をご馳走になり、いい塩梅に酔っ払った帰りの地下鉄車中で明確に言語化された気がしたので、忘れないうちに記録…