2015-07-01から1ヶ月間の記事一覧

中国一の裏切り男(二十六)高宗武香港へ派遣される

近衛声明は周仏海先生らからしても予想外の珍声明であったが、笑い事ではない。武漢は低調倶楽部の会員でなくとも、お通夜のような空気になっていた。 かねてからの計画通り、周仏海先生が侍従室第ニ処副処長として蒋中正に「高宗武のような有為の人材を、武…

中国旅行記

中国と言っても、日本の山陽である。最近筆が進まないので、ひとつ気分転換に気の向くまま書けるものを、ついでに備忘になればと、この題を選んだ。私がまだ紅顔可憐の高校三年生だった頃なので、ちょうど今から十年前になる平成十七年の十二月、私は尾道、…

中国一の裏切り男(二十四)国民政府対手とせず

首都が陥落し、和平交渉もまた失敗したのだから、これはもうこの世の終わりである。長沙の暮らしが慣れぬとボヤく淑慧を武漢へ呼び寄せたが、それくらいでは気は晴れぬ。毎日鬱々として酒浸りの日々を過ごしていた周仏海先生のところに、高宗武が日本側の新…

中国一の裏切り男(二十三)南京陥落

長沙へ引っ込んでいる周仏海先生だが、新聞報道によれば、江蘇省政府が改組されたらしい。それはよいが、教育庁長は自分が留任することになっている。 南京撤退のドサクサで忘れていたが、どうやら周仏海先生自身辞めるとも言っていないし、省部の方からも辞…